生活保護の話

離婚したての頃、私たち親子は生活保護を受けながら、アパート暮らしを始めました。お風呂の無い部屋だったので、子供をおんぶして銭湯に通いました。
生活保護というのは(あくまで当時の情報です)、中流家庭の水準を保証してくれるという制度で、子供は優先的に保育園に入れてもらえ、すぐに仕事をするようにと指導されました。
そして、中流家庭の収入金額に満たない分を補助してくれるというものでした。
もちろん固定資産があれば受けられません。家族に援助能力があっても受けられません。
税金から補助してもらうのですから当然です。
最初はパートで機械部品の組み立てをし、子供が大きくなるにつれ、少しづつ残業が必要な仕事にと転職していきました。お給料が増えれば補助の金額は減ります。
ある人に言われたことがあります。「どうせ補助してもらえるんだから、適当に楽な仕事をしとけばいいじゃないか」
ちょっとむかつきました。
私は弱者に成り下がりたくなかったのです。
そして、税理士事務所時代に生活保護から外れ、児童扶養手当受給の基準からも外れました。そうすると実際はトータルの収入はむしろ減ってしまうのです。
でも、私はうれしかった。
自分の力で子供と生活できるようになったがうれしかったのです。